あうあう日記

ijimeyade2004-09-04

将来僕は大物にはなれまい。
ちょっとしたことですぐびびる。
まず、担当の編集者と雑談しているだけでびびっている。
雑談なのに、「はい、はい」と天丼を食う手を止めて、背筋を伸ばしてかしこまる。
「雑談なんだから、かしこまるなよ」と注意されて、「はい、すみません」とまたかしこまる。
スパイラル。
実は担当氏は僕の打ち合わせのためでも、大沢先生のサイン会のためでもなく、大沢先生主催のゴルフコンペのために来たらしい。
大沢先生他、伊集院静先生、講談社軍団、各出版社から少数の編集者が集まり、泉区のなんたらかんたらという場所でゴルフを明日やるそうだ。
明日雨だと予報では言っているけれども、どうか晴れてください。
ご飯をいただいた後、サイン会の二時まで時間があるので、喫茶店で打ち合わせをやっていただくことになった。
そうしたら、偶然大沢オフィスの方と編集者と丸善の方がいらっしゃり、片隅で僕は一人、コーヒーをすするしかなくなった。
国分町と銀座の類似性について語っておられた。
僕もサイン会の列に並んだ。
並んでいる時点ですでに足が震え、心臓がばくばくしていた。
有名人を間近に見るのは初めてだった。
他の読者の方々は、にこやかな笑顔で大沢先生と話していらした。
僕の順番になった。緊張していて、「あうあうあう」としか言えなかった。
すると、担当氏が僕のことを大沢先生に紹介してくださった。
というのも、僕がいただいた賞の選考委員の一人が、大沢先生なのだった。
それで大沢先生がいろいろと僕に声をかけてくださったが、僕はあいかわらず「あうあうあう」としか言えなかった。
頭の中ではお礼の言葉を言っているつもりだったが、声がでなかった。
緊張すると何を言っているのか分からなくなる、とよく人は言うが、本当であった。
一瞬で僕が小心者かつひきこもりの若者だと、先生は見抜いてしまっただろう。
一生の不覚。
サイン会が終わるまで時間があったので、丸善の売れ筋を立ち読みした。
『キッパリ! たった5分で自分を変える法』とか、こんな感じの、人生相談本みたいな本だった。
小心者の僕は、こういう本に弱い。
それを読んでいるところを担当氏に見つかってしまい、「何を読んでんだ」とあきれられた。
そのあと、再び喫茶店で打ち合わせをしていただいた。
まだ緊張が残っていて、水やコーヒーをがぶがぶ飲んだ。
おかげで、いま、おなかの状態がおかしい。
いろいろアドバイスをいただいたので、またがんばろう。