オーストラリア2日目。
ゴールドコーストの有名なテーマパークであるところの、ドリームワールドに行った。
http://www.dreamworld.com.au/content/international.asp?name=Int_ThrillRides
なんといってもここの目玉は「タワーオブテラー」。早速そこへ向かうと、すでに列ができていた。
で、10時から開店なのに、一向に列が進まない。イグアナを眺めながら待っていると、男の人の声で放送が流れてきた。
例によって、速すぎて聞き取れない。
列の前のほうの人たちが、少しずつ去っていった。
もう一度放送が流れると、「タッター」という単語が聞こえた。
その「タッター」というのを「タワーオブテラー」だと解釈すると、どうやら「タワーオブテラー」の開始時刻が遅れるよ、という放送であると予測できた。
だから「サイクロン」に向かうことにした。
「サイクロン」は、上記アドレスからいけるところの説明にもあるように、呆然としているうちに終わったという感想。
かなりハイレベルな部類のジェットコースターらしいが、僕はジェットコースターに乗ったのが今回で初めてだったので、他のものと比較できないけれど、結構恐ろしかった。
何が恐ろしかったかというと、最初の加速で強風が吹いてきて、うまく呼吸ができない。
ジェットコースターって、このまま息をとめたまま最後まで我慢しなければならないのだろうか、と本気で心配していたら、すぐに呼吸できるようになった。
すると、周囲から天使のような香りが漂ってきた。僕の周囲3方向が、オーストラリア人の女性であって、彼女らからいい匂いがしたからだった。
よくブロンドの髪の外国人の女性にあこがれるという話を聞くが、その気持ちがよく分かった(別に彼女らはブロンドじゃなかったけど)。
何しろ、背が高くてスタイルがよすぎ。さらに、顔の骨格がそうなっているからかどうか分からんが、見る人見る人が全て大人びて凛としている。最近どこかの英語圏の10歳くらいの少女が映画界の子役として活躍しているとかいったような番組を見て、ああ子供なのにすげえ大人びてるなあと思ったが、別にその子に限らず、オーストラリア人の子供たちの顔は、みな大人びている。すばらしい。
などと考えていたら、急に頭が下に押さえつけられるような感じがした。ものすごい圧力であった。周囲が見えないから状況が把握できなかったが、たぶんこれが一回転しているときの状態なんだろうなあと思った。遠心力ってすごい。
あとは、なんだか頭があっちへいったりこっちへ行ったりしているうちに終わった。
思うに、ジェットコースターは最前列に乗らないとあんま意味がないような気がする。だって前が見えないから、周囲の様子が分からないのだもの。かなりがっかりしたが、まあ爽快感だけはあった。
次は二つ続けて空いている回転系の乗り物に乗ったが、空いているだけあって面白くなく、単に目が回っただけで終わった。絶叫マシン系以外のものは相当に人気がない。
で、目が回って気持ち悪いのでしばらく休んだあと、「ジャイアントドロップ」に向かった。
これは、塔に備え付けのいすに座ると高さ120メートルまで持ち上げられ、20秒くらいその高さで静止させられたあと、唐突に真下へ自由落下させられるというスグレモノであった。
しかし、わずかそれだけのために、1時間も待たねばならなかった。
でも待っている間に、すばらしいオーストラリア人の習性を見られた。
彼らに共通しているのは、「知らない人とでもすぐに打ち解ける」という性質であった。
ジャイアントドロップに乗り終わった客は、われわれが並んでいるところのすぐ横を歩いてかえることになるのだが、そうやって帰っていく人たちと、まるで友達であるかのようにしゃべっているやんちゃ坊主が僕の後ろに並んでいた。
やんちゃ坊主は、「Is it good?」と、次々にたずねる。すると、乗り終わった客たちが、いかにおもしろかったかを、楽しそうにその坊主に答えるのだった。
坊主はとても面白いやつで、僕の足を軽く踏んだだけなのに、すごく申し訳なさそうに「sorry」と言ってくる。てか、オーストラリア人はとても礼儀正しい。軽く肩が触れただけなのに、誰も彼もが元気よく「Sorry!」と言う。日本人だったら無言で済ましてしまいそうだ。
で、先に乗ることになった僕に対して坊主が手を振ったので、僕は手を振りながら踊り返してあげた。そしたら、坊主も踊り始めたので、僕は壁によじ登って万歳ポーズをし始めた。
その光景を見ていた、アトラクションの係のお姉さんが、僕の前にやってきて、驚いたような顔で「以前どこかで逢ったよね? またここに来たんだ!」的なことを言ったような気がする。速すぎて聞き取れないが。
だから僕も、「ああ久しぶり! こんなところで逢うなんて偶然だなあ!」といったジェスチャーをして驚いて見せたら、向こうもなんか盛り上がっていた。
全く陽気な人たちだこの国の住民は。
いざ「ジャイアントドロップ」で最高峰まで上がると、それはそれはすばらしい光景だった。大地の地平線が見える。
しかし、自分の股の間から下を見ると、地面は120メートルも下。足はぷらぷらしているし。かなり鳥肌が立った。
で、しばらくたつと、座っている感覚がなくなって、自由落下に突入。普段こんな感覚を味わうことはないので、体中の皮膚の中でぞわぞわしたものがうごめくような、不吉な感触がした。
かなりエクセレントだったので、帰るときに、列で並んでいる人たちに向かって「エクセレント!」と言ってあげたら、かなり喜んでいる子供がいた。
まあエクセレントと言っても、一度乗ったら飽きそうだ。なぜなら他の絶叫マシンと違って、回転したり体がさかさまになったりといった、体の向きを変化させるようなアトラクションではないから。
あとはゴミみたいなものしか乗らなかった。
この日の結論としては、オーストラリア人はかなり悠長でおおらかだと分かった。
あと、ドリームワールドでの目玉はこの「ジャイアントドロップ」と「タワーオブテラー」らしいが、思うに「ザ・クロー」が一番怖いと思う。あれは傍から見ているだけでも背筋がぶるぶると震えた。やばい。